高速信号処理や多チャネル・高精度計測が可能に アナログ・ミックス! FPGA×A-D/D-A変換
2015年2月1日発行 定価2,420円(税込) JAN9784789846189
FPGAはロジック信号で動作するディジタル回路の塊です.しかし現実の世界はアナログです.何らかのセンサからの情報をディジタル回路で処理するには,アナログ信号をディジタル情報に変えるA-D変換が必要になります.また信号処理した結果をアナログ信号に戻すには逆のD-A変換が必要です.
本特集では,高速・高精度なA-D変換ボードの設計事例をもとに,アナログ・フロントエンドの設計技法から,LVDS接続の高速A-DコンバータICとFPGAの接続方法などについて詳しく解説します.
高速・高精度なA-D変換が必要であればA-DコンバータICを外付けする必要があります.しかし,それほど変換スピードや精度を要求されない一般的用途では,A-Dコンバータを内蔵したFPGAが登場しているので,そちらを採用するのはいかがでしょうか.
Altera社から出荷が開始されたばかりのMAX 10は,同社FPGAで初めてA-Dコンバータが内蔵されました.本特集ではこの最新鋭デバイスMAX 10のA-Dコンバータの使い方について解説します.
Xilinx社では以前からA-Dコンバータを内蔵したデバイスがリリースされていました.現在主力の7シリーズではすべてのFPGAファミリでA-Dコンバータが内蔵されています.さらにARMコアを内蔵したZynqにも内蔵されています.本特集ではZynq内蔵のA-Dコンバータを,Linux上から制御する事例について紹介します.
最後は,FPGAに抵抗とコンデンサを付ける程度で,簡易的にD-Aコンバータを構成する事例について解説します.ラダー抵抗によるアナログRGB出力回路や,PWMによるオーディオ出力回路などを取り上げています.
目 次
特集 『アナログ・ミックス!FPGA×A-D/D-A変換』
【FPGAでもアナログを扱いたい!】
サンプリング周波数が数十MHzになったらマイコンでは追いつかない!
プロローグ 高速A-D/D-A変換処理はFPGAを使う
【FPGAはパイプライン処理が得意!】
FPGAを用いた高速A-D変換におけるリアルタイム処理の実現
第1章 高速A-DコンバータにおけるFPGA処理のメリット
【A-Dコンバータの性能だけではない!】
アナログ入力段のOPアンプの使い方,リファレンス電圧の与え方,電源配線,etc.…
第2章 高精度A-D変換に必須のアナログ・フロントエンド設計技法
【素粒子検出にも使われる高精度!】
転送レート数百Mビット/秒のデータをいかにFPGAに取り込むか
第3章 高速A-DコンバータとFPGAのLVDS接続法
【Altera製デバイスにもADCが内蔵!】
12ビット/1MspsのA-Dコンバータの概要からNios IIによる制御プログラムの作成まで
第4章 Altera社最新デバイスMAX 10の内蔵A-Dコンバータの使い方
【ARMコア搭載FPGAにもADCが内蔵!】
安価な評価ボードZYBOを使ってLinux上からA-D変換入力を試す
第5章 Xilinx社製FPGA Zynq内蔵A-Dコンバータの使い方
【OPアンプも自在に組み込める】
ハードウェアとソフトウェアの組み合わせでマクロな機能まで実現
Appendix 1 PSoCマイコンのプログラマブルなアナログ機能
【A-DとD-Aコンバータを内蔵したFPGA】
Microsemi社のアナログ入出力に強いFPGA
Appendix 2 FusionとSmartFusionファミリの紹介
【抵抗コンデンサを追加するだけ!】
アナログRGB出力回路やオーディオ出力回路に最適な
第6章 FPGAに実装できる各種D-Aコンバータ回路
最新技術
【スタータ・キットZedBoardで試せる】
LinuxやAndroidも動く全部入り最新FPGAの研究 ~Zynq編~
割り込みレジスタを実装しCPUコアに直接割り込みを入力する方法
【低速だけどFPGA直結!】
OpenCoresで公開されているUSB IPコアを利用してFPGAボードに手軽にシリアル・ターミナルを実現
USBコミュニケーション・デバイス・クラス対応のUSBターゲット機器の製作
基礎解説
【ucfファイルの書き方を伝授!】
定番&最新FPGAの研究 ~Xilinx編~
ピン配置や動作クロック周波数などの制約(Constraint)の指定方法
【IPコアの活用技法を体験】
無償で使えてよりどりみどり!オープン・ソースIPコアの研究
OpenCoresで公開されているCPUコアいろいろ
【ソフトウェアとハードウェアの協調デバッグ!】
FPGA内蔵ロジック・アナライザ機能の基礎と応用
Nios IIと自作周辺回路のハード&ソフト混在デバッグ
【IC 1個でもここまでやれる】
カメレオンIC PSoCの研究
PSoC 4 Prototyping Kitを使ってみる ~PSoCブートローダの仕組みを理解する~