●配置配線の時間短縮
2024.2では,全てVersalデバイスにAdvanced Flowが導入され,新しい配置配線アルゴリズムが採用された.
・階層最適化と配置配線処理を並列化するために自動でパーティション分割する
・配置を最適化する新しいアルゴリズム
・パーティションの配線を並列に行う配線アルゴリズム
これらによってコンパイル処理が大幅に高速化される.
コンパイル時間に関する具体的なベンチマークは近日公開予定としている
●トップレベルRTLデザインの有効化
Vivado 2024.2で全てのVersalデバイスに対してRTL中心のデザインフローが導入された.次の2つの機能により,設計者はNoCやギガビット・トランシーバなどのコンポーネントをトップ・レベルのRTLから構成できる.
▲モジュラーNoC
RTLデザインにNoC機能を統合しやすくなった.
▲トランシーバ・ウィザード
GTY(32Gb/s),GTYP(PCIeの場合32Gb/s),GTM(56Gb/sまたは112Gb/s)トランシーバ向けの新しいVersalトランシーバ ・ウィザードでは,GTプリミティブを中心に作成されたRTLラッパが用意されており,基本的なカスタマイズが可能となった.
●PSのファスト・ブート
ブート時間を短縮するために,PLのコンフィグレーションを後回しにする方法がある.これによってシステムは,必要な場合にのみPLをコンフィグレーションでき,パフォーマンスと効率を最適化できる.
Vivado 2024.2の新しいセグメント・コンフィギュレーション・フローでは,ブート・プロセスが2つの異なるフェーズに分割される.これによって,次のことが可能になる.
・PLをロードする前にプロセッサとメモリ,OSを起動する
・PLのコンフィグレーションを後回しにする
・実行時にLinuxまたはU-Boot経由でPL PDIを配信する
この機能は,オープンな早期アクセスです.詳細は,GitHubのチュートリアルで参照できる.
●その他の機能
・ユーティリティIP用のインラインHDL:IPのロードと構成を高速化
・PDIデバッグ用の新しいユーティリティ(ブート構成エラーのデコードと分析)
・物理ブロック (Pblock) の GUI 拡張1
・Enhanced Dynamic Function eXchange(DFX)フロアプランの視覚化とDFXサマリーレポート