ラティスセミコンダクターは,小型FPGA向けプラットフォームNexus 2および,ミッドレンジのラインアップを拡充するAvant 30,Avant 50を発表した.
合わせて,アプリケーション固有のソリューション・スタックと設計ソフトウェア・ツールの機能強化も行われている.
●新プラットフォームのFPGAが登場
新プラットフォームおよび,その最初のデバイス・ファミリとしてCertus-N2が発表された.
Certus-N2ファミリは,TSMCの16nm FinFETプロセス技術で製造され,65K~220Kのロジック・セル,最高16GのSerDesを複数チャネル持つ.前世代に比べ,搭載するロジック・セル量やSerDesの通信速度が2倍になっている.SerDesを持つデバイスのサイズは最小で9×9mmである.同クラスの競合製品に比べて最大1/3の消費電力だとしている.
▲MIPI
・最高4.5Gbps/1レーン MIPI D-PHY
・最高3.5Gspsまたは7.98Gbps MIPI C-PHY
▲インターフェース
・マルチプロトコル16G SerDes
・PCIe Gen 4コントローラ
・最高2400MbpsのLPDDR4メモリ・インターフェース
▲セキュリティ
・256ビットAES-GCMとSHA3-512に対応.FIPS 140-3レベル2規格に準拠
・内蔵フラッシュ・メモリにより,コンフィグレーションの高速化とセキュリティを強化
Nexus 2プラットフォームは複数のデバイス・ファミリを迅速に開発できる拡張性がある.汎用FPGAであるCertus-N2ファミリを皮切りに順次製品をリリースしていく.Certus-N2は現在サンプル出荷中である.
●ミッドレンジ製品ラインアップを拡充
AvantファミリのミッドレンジFPGAデバイスとして,Avant 30とAvant 50が発表された.Avant 30とAvant 50が追加されることで容量の選択肢が増え,エッジ・アプリケーション向けにコネクティビティ,機能容量,機能の選択肢が広がった.
●開発用ソフトウェアのアップデート
開発用ソフトウェアRadiantとPropelの新バージョンでは,Nexus 2およびAvantの新デバイスがサポートされた.
他にRISC-Vバリアント,デバッグ,電力計算などの新機能が追加され使いやすさも改善されている.
AIアプリケーションなどを開発するためのフレームワークとして用意された,4つのソリューション・スタックのアップデートが発表された.
・エッジAI(Lattice sensAI)
・組み込みビジョン(Lattice mVision)
・ファクトリ・オートメーション(Lattice Automate)
・車載設計(Lattice Drive)
アップデート内容は,アプリケーション固有の機能強化による性能の向上,IP,デモ,リファレンス・デザインの拡充などである.
これらは,2024年12月10日から11日までオンラインで開催されたLattice Developers Conference 2024のライブキャストで発表された.その様子はラティスのイベント・ポータルサイト上で近日中に公開予定となっている.