ユリ電気商会は,シングルボードコンピュータKakipを2024年10月7日に発売する.
ロボットなどの産業用装置におけるエッジAI処理を主な用途として想定している.

●Cortex-A,R,Mを全部搭載
 Kakipは,SoCとしてRZ/V2H(Renesas)を搭載する89mm×58mmのシングルボードコンピュータである.SoCはCPUとして,Cortex-A55(1.1GHz)を4コア,Cortex-R8(800MHz)を2コア,Cortex-M33(200MHz)を1コア搭載する.
 CPU以外の演算装置としてルネサス独自のAIアクセラレータDRP-AI3を搭載する.DRP-AI3とは別に汎用のDRPユニットも搭載しており,機械学習による画像を対象として推論の前処理などに利用できる.
 LPDDR4 1600MHz動作のDRAMは,当面8Gバイト版のみを生産する予定.2Gバイトや4Gバイト版は要望によっては生産する.

●外部インターフェース
 カメラ入力用として,4レーンに対応するMIPI-CSI2コネクタ(22ピン)を4つ搭載している.ボード裏にはMIPI-CSIコネクタ(22ピン)を1つ搭載している.
 他に,PCIe 3.0のエンドポイントコネクタ,汎用の40ピン・コネクタ(2.54mm),CAN-FDのコネクタ×2,1GbE対応RJ45コネクタ,USB3.0対応Type-A×2,シリアル通信用のUSB Type-Cコネクタを搭載している.

●ソフトウェア
 OSとして,独自のLinuxをビルドするためのYocto向けファイル群と,Ubuntu 24.04LTSのイメージが提供される予定.Ubuntuイメージには,DRP-AI3を利用した推論処理のサンプルプログラムや,ROS向けのソフトウェアなどが用意される.

「Kakipはシリーズとして今後の様々な市場ニーズを汲み取りながら、ラインナップを拡充していく予定」としている.

定価は59,800円(税込み).
マルツオンラインや秋月電子通商,Amazon(ユリ電気商会)などでの販売を予定している.

公式ウェブ・サイトやX(Twitter)でも情報発信する予定.
https://www.kakip.ai
X(@Kakip_yds)

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