●CPUとは独立して動くプログラム可能なロジック・ブロックを搭載

 Microchipは,PIC16F13145MCUファミリを発表した.CPUコアからは独立した処理装置である,CLB(構成可能なロジックブロック)モジュールを内蔵している.CPLDに似たこのデバイスによって,ユーザ独自のロジック回路をMCU内に実装できる.これにより,組み込みシステムの処理速度とレイテンシを最適化できる.
 MCUの外部にロジックICなどを設置する必要がないので,部品コストと消費電力を削減できる.
 また,CPUがスリープ・モードであってもCLBは動作可能なので,ソフトウェアへの依存度を下げ,消費電力のさらなる削減も可能である.
 従来の設計において,プログラマブルな回路を持つ単体ICを利用していた場合も,CLBを内蔵するPIC16F13145シリーズに置き換え可能であり,組み込み設計の課題にシングルチップで対応できるとしている.
 カスタム・プロトコル,タスク・シーケンシング,I/O制御を利用した産業および車載分野のリアルタイム制御システムを管理するアプリケーションに向く.

●開発ツール

 PIC16F13145ファミリは,MCC(MPLAB Code Configurator)でサポートされ,GUIツールを使ってCLBを使ったカスタム・ロジックを合成できる.これは,CLBなどの内蔵ペリフェラルを設定するためのMPLAB X IDEのプラグインであり,GUIによる回路図ベースの入力に加えて,HDL(Hardware Descreption Language;ハードウェア記述言語)による記述も可能である.

●内蔵ペリフェラル

 PIC16F13145 MCUは,計算機能付き10ビットA-Dコンバータ,8ビットD-Aコンバータ,高速コンパレータ,8ビットおよび16 ビット・タイマ,I2C通信機能,SPI通信機能を内蔵している.ICのパッケージは,8~20ピンである.

●低価格な評価ボード

 評価用キットとして,PIC16F131 Curiosity Nanoが販売される.

コメントを残す