RT PolarFire FPGAは放射線耐性(RT)を持ち,宇宙機器への搭載実績があるFPGAファミリである.
 今回発表されたSoCはRT PolarFire FPGAとして初めて,Linuxを実行可能なRISC-Vベースのプロセッサを内蔵する.
 Libero SoC開発ツールが提供されており,Mi-Vエコシステム,PolarFire SoCソリューションスタック,PolarFire SoC Icicle KitまたはPolarFire SoC Smart Embedded Vision Kitを使って,厳しい熱環境向けの低消費電力ソリューションを開発できるとしている.

 このデバイスは,Linuxに対応したマルチコア・プロセッサを搭載しており,コマンドやデータ処理,アビオニクス,ペイロード制御など宇宙機で使われるコンピュータに必要な機能を実現できる.
 宇宙機に搭載されるシステムは宇宙空間で放射線にさらされる.SRAMベースのFPGAデバイスとは異なり,FolarFireのようなフラッシュベースのFPGAでは放射線によるコンフィギュレーション情報の破壊が起こらないので,復旧機構などの冗長構成が不要となり,システムの総コストを削減できる.

 Mi-Vは,Linux,VxWorks,PIKE OSやRTEMS,ZephyrなどのリアルタイムOSに対応する.RISC-VのISAに対応しており,SoC FPGAの開発がサポートされる.
 RT PolarFire FPGAは,アメリカ国防兵站局が規定する特定の性能および品質要件に基づき、Qualified Manufacturers List (QML) Class Q の指定を受けている.

https://www.microchip.com/en-us/products/fpgas-and-plds/radiation-tolerant-fpgas/rt-polarfire-soc

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